読解練習4:正解のない問いに向き合う【Lv.6|中2〜中3目安】
「命に優先順位はあるのか」「幸せとは何か」「正義とは誰のものか」。こうした問いに、明確な正解はない。それでも、考え続けることに意味がある。
私は中学のディスカッション授業で、「戦争は絶対に悪いのか?」というテーマに向き合った。初めは「悪いに決まっている」と思っていた。でも、ある同級生は「一方的に悪と決めつけると、戦争の背景を理解しようとする努力を止めてしまう」と発言した。その言葉に、私はハッとした。
それから、ただ自分の意見を主張するのではなく、「なぜ自分はそう思うのか」「他の意見にもどんな理由があるのか」と考えるようになった。答えが決まっていない問いほど、そこに向き合う姿勢や理由の深さが問われると感じた。
私たちは、正解が一つではない問いに出会ったとき、自分自身の考え方を試される。だからこそ、問い続ける力が、これからの時代にこそ必要なのかもしれない。
◆ 問題
- 要約:この文章の内容を、40〜60字でまとめなさい。
- 内容理解:筆者の主張に最も近いものを1つ選び、理由とともに説明しなさい。
- A. 正解がない問いは考えても意味がない
- B. 自分の意見は変えるべきではない
- C. 正解のない問いこそ、深く考える価値がある
- D. ディスカッションは意見を戦わせるものだ
- 自分の考え:あなたが「正解のない問い」に向き合ったことはありますか?その問いと、自分なりに考えたことを具体的に書きましょう。(100字程度)
- 構造理解:この文章の構成に最も近いものを選びなさい。
- A. 体験 → 気づき → 結論 → 教訓
- B. 問い → 例 → 展開 → 主張
- C. 主張 → 反論 → 解説 → 結論
- D. 説明 → 実例 → 感想 → 提案
◆ 解答・指導のヒント
- 問1:要約には「正解のない問い」「考え続ける」「深く向き合う」などを含めるとよい。
- 問2:正解は「C」。複眼的な視点と対話の大切さを重視。
- 問3:哲学的問いへのアプローチを通して、個別の価値観や思考の深さを引き出す。
- 問4:構成は「B」。問い→例→展開→主張の順で深まりを意識。