読解練習:その“正義”に、少しだけ共感してしまうとき【Lv.15|探究・哲学対話特化】
クラスでいじめが起きていた。
見ていると、一方的な暴力に見えるのに、加害者は「アイツが悪い」「当然だ」と言う。
まちがっていると思う。だけど、理由を聞くと、どこかで「わからなくもない」と思ってしまう。
「正しさ」にすり替えられた怒りや嫉妬。自分を守るための暴力。
それを止められないまわり。笑ってごまかす自分。
正義って、何だろう。誰にとっての正義なんだろう。
もしかしたら、正義を語るとき、人は一番“残酷”になれるのかもしれない。
◆ 問題
- 筆者は、加害者の「正義」に対してどのような複雑な感情を抱いていますか?
- 筆者は、「正義を語ること」のどんな危うさに気づいていますか?
- あなたが「わかる気がしてしまった」加害の理由には、どんなものがありましたか?それをどう受け止めましたか?
- あなたにとって、「正義」とは何ですか?それは他人の苦しみとどう関わるべきものですか?
◆ ポイント
- 「正しさ」はときに攻撃を正当化する危険な武器にもなることに気づかせる。
- 加害者の視点を理解しようとすることで、倫理的思考の複雑性を体感する。
- 「共感」と「肯定」の違い、「理解」と「正当化」の違いを考察する哲学的読解。