読解練習:自由であることの不自由【Lv.12|高2〜高3向け】
ある高校で、生徒たちは制服ではなく私服で登校することが認められている。
「自由な服装」は、生徒の個性を尊重するという学校の方針に基づいて導入されたものだ。
しかし、ある日、一人の生徒が「私服だと、毎朝何を着ればいいか悩んでしまって大変だ。制服の方が楽だった」とつぶやいた。
さらに、周囲の生徒たちも「結局、流行や空気を読んで、似たような格好をしてしまう」「“自由”なのに、何を着てもいいというわけではない感じがする」と話すようになった。
そのつぶやきを聞いた教師は、「“自由”というのは選べることだが、選ぶには判断と責任が伴う。それを負うことは時に“重さ”にもなる」と語った。
そして、「自由が多ければ多いほど、人は本当に自由なのだろうか?」と問いかけた。
◆ 問題
- 「自由が多ければ多いほど、人は本当に自由なのだろうか?」という問いに、あなたはどう答えますか?理由も含めて説明してください。
- 生徒たちの声に表れている「自由であることの不自由さ」とは、どのようなものですか?あなたの経験や周囲の例と結びつけて考えてみましょう。
- 教師の言葉「選ぶには判断と責任が伴う」という考え方について、あなたはどう感じますか?自由と責任の関係について、自分の意見を述べてください。
◆ ポイント
- 「自由」とは単に制限がないことではなく、選択の重みや葛藤を含む概念であることに気づかせる。
- 自由の裏にある「不自由さ」や「責任」との関係を、自分自身の視点から深める読解。
- 選択することの意味や、社会的な目・空気が及ぼす影響についても考えるきっかけとなる。