「今日、楽しかった?」「うん」「ふーん……」
——そんな会話、日常によくありませんか?
実はこの「イエス・ノー」で終わる問いかけが、子どもの思考の成長を止めてしまうことがあります。
思考力を育てるには、“自分の考えを言葉にする機会”が必要です。
大げさな勉強ではなく、4歳頃からでも十分に始められるトレーニングがあります。
思考力の芽は「問いかけ」で育つ
子どもは「なぜ?」「どうして?」という問いに慣れていないと、自分で考える力が育ちにくくなります。
受け身のまま大きくなると、答えを探すことだけに慣れ、論理や創造性が育ちません。
でも逆に、日常の中で「考える習慣」があれば、思考力は自然と育ちます。
オープンクエスチョンとは?
「イエス」「ノー」だけで答えられない問いがオープンクエスチョンです。
たとえば:
- 「どんなところが楽しかった?」
- 「あのとき、どう思った?」
- 「もし○○だったら、どうなると思う?」
こうした質問は、子どもの頭の中を“言語化”させるトレーニングになります。
4歳からできる!具体的な声かけトレーニング
思考力を養うには、「ことば」「理由づけ」「想像」の3つの柱が大切です。
1. ことばで整理するトレーニング
- 「今日はなにを一番たくさんしたかな?」
- 「どんな言葉を先生が言ってた?」
→ 自分の行動や聞いたことを“思い出して言う”ことで、記憶力と表現力が高まります。
2. 理由を考えるトレーニング
- 「なんでそれが好きなの?」
- 「どうしてそうしたの?」
→ 好き嫌いに理由をつけさせることで、自分の判断に根拠を持つ力が育ちます。
3. 想像するトレーニング
- 「もし明日が全部雨だったら、どうする?」
- 「そのキャラクター、おうちに来たら何してくれると思う?」
→ 現実にないことを考える力は、創造力・問題解決力のベースになります。
親が「聞き役」になることの意味
子どもの話にしっかり耳を傾け、「へぇ、それでどうなったの?」「もっと教えて」と続ける姿勢が、思考を深掘りする習慣につながります。
正解を探すのではなく、「考えていい」「言っていい」と感じられる環境が、子どもの思考力と自己肯定感の両方を支えます。
まとめ
4歳からでも、親の声かけひとつで思考力は確実に育ちます。
ポイントは、「イエス・ノー」では終わらない問いかけ。特別な教材はいりません。
今日から、“考えることを楽しむ親子の会話”を始めてみませんか?