読解力は、すべての学びの基礎です。文章を読むことは、ただ言葉を目で追うだけではありません。そこに書かれた意味を深く理解し、筆者の考えを読み取り、自分の意見を持つことが求められます。読解問題に取り組むことで、「考える力」「伝える力」「比べる力」など、これからの学習や生活に欠かせない力が身につきます。今のうちから読解の練習を重ねて、しっかりとした読み方を身につけましょう。
読解練習:それって、ありがた迷惑?【Lv.6|中1〜中2目安】
友だちのなおは、クラスでなるべく目立たないようにしているタイプだった。
ある日、りんかは「もっとクラスになじめるように」と思って、みんなの前でなおに話をふった。
でも、なおは小さな声で答えたあと、下を向いてしまった。
放課後、「さっきのこと、うれしかった?」と聞くと、なおは「ちょっと困った」と答えた。
「気をつかってくれたのは分かるけど、ああいうの苦手なんだ」と。
りんかは、自分のやさしさが“いいこと”だったのかどうか、分からなくなった。
◆ 問題
- りんかは、なぜなおに話しかけたのでしょうか?
- なおは、そのときどう感じたようですか?
- りんかは、自分の行動についてどのように考えましたか?
- あなたが「よかれと思ったことが、相手にはそうでなかった」と感じた経験があれば、書いてみましょう。
◆ ポイント
- 「思いやり」は、相手の立場・性格・状況をふまえて考える必要がある。
- やさしさにも「距離感」「タイミング」「方法」があるという気づきを促す。
- よかれと思ったことが“迷惑”になる可能性を、否定ではなく問いとして扱う。