読解練習:気持ちをうまく言葉にできない人もいる【Lv.7|中2〜中3目安】
なおやは、クラスの中でもよくしゃべるタイプだった。意見を言うのも得意で、友だちの輪の中心にいることが多かった。
そんなある日、グループ活動で、ゆきというおとなしい子といっしょになった。なおやは「もっと意見を言ってよ」と何度も声をかけたが、ゆきは首をふるだけだった。
活動が終わったあと、ゆきがそっとノートを見せてくれた。そこには、「うまく話せないだけで、ちゃんと考えていました」と書かれていた。
なおやはハッとした。「話さない=何も考えていない」わけじゃない。気持ちを伝える方法は、人によってちがうんだと思った。
それからは、相手のペースや表現の仕方にも気を配るようにしている。
◆ 問題
- なおやは、グループ活動でどのようにふるまっていましたか?
- ゆきは、なぜ自分の気持ちを言葉にできなかったのでしょうか?
- ゆきのノートを見て、なおやは何に気づきましたか?
- この話を、70〜100字でまとめてみましょう。
- あなたは「気持ちはあるのに、言えなかった」または「言えない人を見た」ことがありますか?そのときどうしましたか?
◆ 指導のヒント
- 「発言できる=考えている」とは限らないという視点を持たせる。
- コミュニケーションには多様な表現方法があることを理解させる。
- 話さない人への配慮や、待つ姿勢の価値に気づかせる教材として活用。