読解練習:なぜ、真実は信じてもらえないのか【Lv.13|高3以上】
「本当のことなのに、なんで信じてもらえないんだろう」
そう感じた経験は、誰にでも一度はあるのではないだろうか。
相手にとっての“信じる”とは、言葉そのものではなく、それまでの関係の積み重ねかもしれない。
信じたい人の言葉は信じられ、信じたくない人の言葉は疑われる。
どれだけ誠実に語っても、「そうは見えなかった」と言われることもある。
つまり、“真実”は内容だけで成立するものではなく、「誰が、いつ、どんなふうに言ったか」によって評価されてしまう。
だからこそ、言葉は無力でありながら、同時に関係を築く唯一の橋でもある。
「伝える」という行為には、思っているよりもずっと深い“前提”が存在しているのかもしれない。
◆ 問題
- この文章によると、「信じる/信じない」はどのように決まると述べられていますか?
- 「真実が伝わらない」ことには、どのような背景があると考えられますか?
- 「言葉は無力でありながら、唯一の橋でもある」とは、どういう意味でしょうか?
- あなたが「信じてもらえなかった」経験、または「誰かの話を信じられなかった」経験について書き、その背景を考えてみましょう。
◆ 指導のヒント
- “真実”や“信頼”が成立する条件を、多面的に考えさせる素材として。
- 「伝える=相手の心に届く」とは限らないという、言語の限界と可能性を考察させる。
- 関係性・背景・印象といった非言語的要素が、いかに“信じる”を左右するかに気づかせる。