読解練習:守ることは、誰かを傷つけることだった【Lv.14|高3以上】
親友のミスで、グループ全体が責められる状況になった。
でも、家族のことで頭がいっぱいだった僕は、仲間を守るために、親友の名前を出してしまった。
「あいつのせいだ」と言ったのは、僕だ。
彼はひどく落ち込んだし、僕とは距離を置くようになった。
でも、あのとき誰かをかばえば、グループ全員がもっと大きな責任を問われていたかもしれない。
間違っていたかもしれない。でも、正しかったかもしれない。
守るために、壊した。
それを、僕は「しかたなかった」と言い切っていいのだろうか。
◆ 問題
- 筆者は、なぜ親友の名前を出してしまったのでしょうか?
- 筆者は「守るために壊した」と表現していますが、それはどんな気持ちを表していますか?
- あなたが同じ立場だったら、どう行動したと思いますか?また、その理由は?
- 「正しいこと」と「誰かのためになること」が一致しないとき、あなたは何を優先すべきだと思いますか?
◆ ポイント
- 「大切な人を守ること」が、他人を犠牲にする選択になりうるという現実的ジレンマを問う。
- 正義・忠誠・愛情のバランスについて深く考えさせる読解。
- 「しかたなかった」という言葉の内にある、自己正当化と後悔の複雑性を探る。