読解練習:陰謀論と「信じること」【Lv.14|高3以上】
SNSを見ていたら、あるニュースのコメント欄に「これは政府の陰謀だ」と書かれていた。
それを読んだたかしは「また陰謀論か」と思ったが、同時に「でも、自分は“正しい情報”をどう判断してるんだろう?」と疑問に思った。
どんな情報にも背景があり、誰かの視点が入りこんでいる。信じたいものを信じるのが人間だという話も聞いたことがある。
実際、科学的な話であっても、反対の立場からすれば“隠された真実”に見えることもあるらしい。
「事実って何だろう」「正しさって誰が決めているんだろう」
陰謀論を笑う前に、自分が何を“信じているのか”を見つめ直す必要があるのかもしれない——たかしはそう感じていた。
◆ 問題
- たかしは、陰謀論的なコメントにどんな反応をしましたか?
- そのコメントをきっかけに、たかしはどんな疑問を持ちましたか?
- この文章では、「正しさ」や「事実」はどのようにとらえ直されていますか?
- あなた自身は、SNSやネットで見た情報を「信じる/疑う」とき、どんな基準や感覚で判断していますか?
◆ 指導のヒント
- 陰謀論を単に否定・嘲笑するのではなく、「人が信じる理由」に注目させる。
- 情報の信頼性とは何か?自分が何を“前提”としているか?を問い直す視点を育てる。
- “批判的思考”と“共感的理解”のバランスを意識させ、思考の土台を耕す素材として活用。