読解練習:みんなと違うことは個性なのか【Lv.14|高3以上】
「人と違うことが大事だ」とよく言われる。
だが、みんなと違うというだけで、それは“個性”と呼べるのだろうか。
時には、自分のこだわりでもなく、心から好きでもないものをあえて選び、「個性的に見せよう」とすることもある。
けれどそれは、“誰かにそう見られたい”という願望にすぎないのかもしれない。
逆に、みんなと同じでも、自分で納得して選んだなら、それも立派な個性ではないか。
個性とは「違っていること」ではなく、「どうやって選び、どうして大切にするか」に宿るのかもしれない。
◆ 問題
- 筆者は、「人と違うこと」がなぜ個性とは限らないと考えていますか?
- 「同じであっても個性である」と筆者は述べています。あなたはこの考えにどう思いますか?
- あなたが「これは自分の個性だ」と感じるものは何ですか?その理由も含めて考えてみましょう。
- 「個性とは、どう選び、どう守っているかに宿る」と筆者は述べています。この意見について、あなた自身の立場を述べてください。
◆ ポイント
- 「違い=個性」という単純な見方から脱却させ、自分らしさとは何かを考える機会を与える。
- “見せかけの個性”と“内発的な個性”を区別し、自己認識を深める教材設計。
- 哲学的対話や探究の出発点として、アイデンティティ形成や価値観の言語化を促進する。