― 読み・書き・話すの前に、“考える日本語”を育てよう ―
未就学期、つまり4〜6歳ごろは、語彙・表現・構文・順序理解など**“ことばの土台”が爆発的に伸びる黄金期**です。
この時期にただ英語や計算を先取りするのではなく、
「ことばを使って考え、伝える」力を育てておくことが、将来のすべての学びにつながっていきます。
本記事では、家庭で気軽にできる言葉あそびを目的別に7つご紹介します。
①【語彙を増やす】しりとり+ルール追加
▶ 遊び方
普通のしりとりにテーマ縛りをつけて遊びます。
例:「たべものしりとり」「どうぶつしりとり」「カタカナ語しりとり」など。
▶ 育つ力
- 分類語彙の広がり
- 音の意識(語頭・語尾)
- テーマごとの語彙を整理する力
②【順序を育てる】おはなしづくりごっこ
▶ 遊び方
親子で交互に、1文ずつストーリーをつくっていきます。
「むかしむかし…」「ある日…」「それから…」と話をつなげていくことで、自然と物語の構造を体験できます。
▶ 育つ力
- 時系列・因果関係の理解
- 話の「はじめ・なか・おわり」の感覚
- 創造力・発話力
③【比較・修飾語】どっちが○○?ゲーム
▶ 遊び方
身の回りの2つのものを比べて質問します。
例:「ペンとスプーン、どっちがながい?」「ぬいぐるみとクッション、どっちがふわふわ?」
▶ 育つ力
- 形容詞・比較語の習得
- 注意深く観察する力
- 思考をことばで説明する練習
④【言い換え力】いろいろな言い方ゲーム
▶ 遊び方
1つの動詞や名詞について、「他の言い方はあるかな?」と問いかけます。
例:「“食べる”って、ほかにどんな言い方がある?(ほおばる/むしゃむしゃ/あじわう など)」
▶ 育つ力
- 類語・語感・ニュアンスの理解
- 表現の幅・語彙の豊かさ
- 発想力
⑤【実況力・話す力】お絵かき実況中継
▶ 遊び方
子どもが絵を描いているときに、「今なに描いてるの?」「どうしてそれにしたの?」と実況的に話してもらう遊び。
▶ 育つ力
- 状況の言語化
- 主語と述語を意識する習慣
- 自己表現と発話への自信
⑥【語順・構文理解】ばらばら文カード
▶ 遊び方
「いぬが にわで はしる」などの簡単な文を、カードに1語ずつ書いてバラバラに。子どもに正しい順番で並び替えてもらいます。
▶ 育つ力
- 語順の感覚(SVO)
- 助詞の役割・構文理解
- 「変な文」に気づく力
⑦【創造的表現】ひみつのなぞなぞづくり
▶ 遊び方
子ども自身になぞなぞを作ってもらいます。
例:「まるくて あまくて おちゃのときに たべるもの なーんだ?」
▶ 育つ力
- 概念を言葉で伝える力
- 相手に伝わる表現を工夫する力
- “出題する”視点で考える力
💬 ことば遊びで大切なのは「正解」より「一緒に考える」
遊びの中で、うまく答えられなくても構いません。
大切なのは、次のような親の関わり方です。
- 「どうしてそう思ったの?」と聞いてみる
- 「いいね、それもありだね」と柔軟に受け止める
- 「ちょっとむずかしいね、いっしょに考えよう」と並走する
こうしたやりとりを通して、子どもは**「考えを言葉にして伝えることは楽しい」**と感じられるようになります。
📝 まとめ:ことばの力は“遊び”で育つ
「国語の勉強」と身構える必要はありません。
未就学期にこそ、「ことばって面白い!」という体験が、語彙・構文・思考の力を自然と育ててくれます。
日々の中に、ちょっとした会話の工夫や遊びを取り入れるだけで、
将来の「読む・書く・考える」の力は、着実に育っていきます。
ぜひ今日から、お子さんとの言葉遊びを楽しんでみてください。
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