読解練習:あの日から半年——問い続ける親のかたち【Lv.15|番外編:親の視点】
子どもが学校に行かなくなって、半年がたった。
最初の頃は、「どうすればまた行けるか」をずっと考えていた。
いまはもう、毎朝が少しだけ穏やかになった。
昼に起きてきて、少し会話をして、好きな動画を見て、夜になると絵を描いている。
学校とは違う時間。
でも、これは「後退」なんだろうか?
親として、これでいいのか? 「見守る」という言葉は、ほんとうに見守っていることになるのか?
誰かに説明しようとすると、答えに困る。
でも、私の中では、あの子が少しずつ「戻ってきている」ようにも感じる。
半年前より、呼吸が深くなっている気がするから。
◆ 問題
- 筆者は、「学校に行っていない今の生活」をどのようにとらえているようですか?
- 「見守る」という言葉について、筆者はどんな問いを抱いていますか?
- あなたがこの親の立場だったら、「これでいいのか?」という不安にどう向き合いますか?
- 「後退ではなく、呼吸が深くなっている」とは、どのような見方だと思いますか?あなたなりの解釈で考えてみてください。
◆ ポイント
- 不登校の「半年後」のリアリティを通じて、表面では見えにくい回復や変化を考える。
- 親としての「見守り」とは何か、答えのない問いに向き合う思考を深める。
- 子どもの「生きる形」が多様であることを受け止める哲学的感受性を育てる。