読解練習:それでも、あなたの時間は流れている【Lv.15|番外編:親の視点】
息子が「今日は行かない」と言った。
初めてのときは、体調が悪いのだと思った。でも翌日も、その次の日も、行かないと言い続けた。
「無理しなくていい」と言ったのは私なのに、「どうしたらまた行けるか」と考えている自分がいる。
学校に行っている子どもを見て、「うちは大丈夫だろうか」と思う。
何が正しいのか、親としてどうするのが「ちゃんとすること」なのか、わからなくなる。
でも、ふと見た子どもの横顔が、昨日より少しだけ明るい気がして、
「この子の時間は、この子のスピードで流れてる」と思った。
私は何に焦っていたのだろう。何を守ろうとしていたのだろう。
この問いに、今も私は答えを出せずにいる。
◆ 問題
- 筆者(親)は、子どもの不登校に対してどのような葛藤を抱いていますか?
- 「ちゃんとすること」とは何か、筆者は問い直そうとしています。あなたはどう考えますか?
- 筆者が「この子の時間は、この子のスピードで流れてる」と感じたとき、何が変わったのでしょうか?
- 「焦り」や「不安」は、親であることのどんな一面を表していると思いますか?あなたなりに深く考えてみてください。
◆ ポイント
- 子どもが学校に行かないという現実に、親としてどう向き合うかという根本的な問いに挑む。
- 「社会的な正しさ」と「個人のペース」の間にあるズレや不安を言葉にする。
- 教育や親としての「役割」を、自分自身の価値観から見つめ直す契機とする。