読解練習:「やめて」と言えない自分が苦しい【Lv.7|中2〜中3目安】
はるなは、休み時間に友だちから軽くたたかれたり、からかわれたりすることがあった。まわりは「ふつうのじゃれ合い」と思っているようだったが、本人はだんだんつらくなっていた。
「やめて」と言えばいいのに、そう言ったら空気が悪くなる気がして、結局何も言えないまま笑ってごまかしていた。
でも、帰り道になると心がどっと重くなり、「ああ、また何も言えなかった」と落ち込む日が続いた。
ある日、保健室の先生にふと話したとき、「言わなくてもつらいことは、つらいって思っていいよ」と言われ、はるなは少しだけ気が楽になった。
「言えない自分を責めるより、少しずつ伝える方法を見つけていけたらいい」——そう思うようになった。
◆ 問題
- はるなは、なぜ「やめて」と言えなかったのでしょうか?
- 言えなかったことで、はるなはどのような気持ちになっていましたか?
- 保健室の先生は、はるなにどんな言葉をかけましたか?
- この話を、70〜100字でまとめてみましょう。
- あなたは「本当は言いたいのに言えなかった」経験がありますか?そのとき、どう感じましたか?
◆ 指導のヒント
- 「言えない=弱い」ではなく、「言えないことにも理由がある」と認識させる。
- 人間関係における“沈黙”の背景と、そのつらさを共感的に考える題材として。
- 伝える手段は言葉だけではないことや、小さな一歩の大切さを感じさせる。