読解練習:逃げていいとき、悪いとき【Lv.8|中3〜高1目安】
たいちは、部活で厳しい先輩から毎日のように怒られ、練習もつらくなっていた。でも「ここで逃げたら弱い人間だ」と思い込み、誰にも相談せずに続けていた。
ある日、先輩が引退し、後輩の指導をする立場になったとき、たいちは気づいた。「あの時、本当は逃げたほうがよかったのかもしれない」と。
つらいことから逃げる=悪いこと、という考えが、自分を苦しめていたのだ。
一方、友だちのまゆは、クラスのトラブルから距離をとったことで心が楽になり、「逃げることで自分を守れた」と話していた。
「逃げること」と「立ち向かうこと」は、どちらが正しいというよりも、自分の心や状況をどう見つめるかにかかっているのかもしれない。
◆ 問題
- たいちは、どんなことで苦しんでいましたか?
- たいちは、なぜ「逃げてはいけない」と思っていたのでしょうか?
- まゆの考え方は、たいちとどう違っていましたか?
- この話を、70〜100字でまとめてみましょう。
- あなたは「逃げる」ことをどう考えますか?逃げた経験、逃げずにいた経験があれば書いてみましょう。
◆ 指導のヒント
- 「逃げる=悪」「がまん=美徳」という固定観念を問い直す素材に。
- 状況によって、立ち向かう/離れるの選択が変わることを認識させる。
- 「逃げる」の言い換え(距離をとる/場を変える)も併せて考えさせる。