読解練習:話し合いで解決しない問題もある?【Lv.10|高1目安】
生徒会では、校内でのスマホ使用ルールを見直すことになった。あるグループは「休み時間の使用を認めてほしい」と主張し、別のグループは「依存やトラブルが起きるから禁止のままがいい」と強く反対した。
話し合いは何度も行われたが、どちらの意見もゆずらず、議論は平行線をたどった。
ある日、一人の生徒がこうつぶやいた。「話し合いって、どこかでだれかが折れないと終わらないのかもしれないね。」
その言葉に、沈黙が流れた。みんなが「正しさ」を主張していたけれど、そもそも「共通のゴール」が見えていなかったのかもしれない。
話し合いは大切。けれど、それがすべての問題を解決できるとは限らない。そんな気づきが、会議室の空気に残された。
◆ 問題
- スマホの使用ルールについて、どんな意見の対立がありましたか?
- 議論が進まなかった理由は何だったと考えられますか?
- 「話し合いでは解決できないことがある」とはどういう意味だと思いますか?
- この文章の内容を、80〜100字でまとめてみましょう。
- あなたは「話し合いで決着がつかない」と感じたことがありますか?そのとき、どうしましたか?
◆ 指導のヒント
- 話し合い=万能という前提に揺さぶりをかけ、現実的な限界を考えさせる。
- 「ゴールの不一致」「価値観の対立」があると合意が難しいことを理解させる。
- 対立をゼロにするのではなく、共存や折衷という方向性にも目を向けさせる。