読解練習:正しさと正義は同じものか?【Lv.9|高1目安】
ある学校で、教室の窓ガラスが割られる事件があった。先生は「名乗り出たら厳しく叱るが、それで終わりにする」と話した。
翌日、クラスのある生徒が「たぶん〇〇くんがやったと思う」と言い出した。それを聞いて別の生徒が先生に伝え、調査の末、〇〇くんが呼び出された。
しかし、本人は「自分はやっていない」と否定。証拠もなかったが、クラスの空気は〇〇くんを「犯人」と決めつけたままだった。
一方で、〇〇くんと仲のよい生徒の中には「〇〇はそういうことをする人じゃない」と感じている人もいた。
みんなが「正しい」と思って動いたはずなのに、本当に「正義」が行われたのか――クラスには重たい空気だけが残った。
◆ 問題
- この話の中で、「正しさ」や「正義」に関係する行動はどれですか?2つ以上あげましょう。
- 〇〇くんはなぜ否定したのでしょうか?あなたの考えを書いてみましょう。
- 「正しさ」と「正義」は、どのようにちがうと感じましたか?
- この文章の内容を、70〜100字でまとめてみましょう。
- あなたが「みんなの意見」と「自分の思い」にちがいを感じたことがあれば書いてみましょう。
◆ 指導のヒント
- 集団心理と「正しさ」の構造的あいまいさを意識させる。
- 「声の大きい意見」と「沈黙の中の正義」に気づかせる契機に。
- 正義=制裁?共感? 誰が決める?という視点で対話を展開できる内容。