読解練習:過去の自分を否定してもいいの?【Lv.8|高1目安】
なおきは中学生のころ、まわりに合わせて無理に明るくふるまっていた。冗談を言ったり、ふざけたりすることで、友だちと笑い合う時間も多かった。
けれど、高校に入ってからそのころの自分をふと思い出し、「なんだか、あのころの自分って嘘っぽい」と感じるようになった。
今のなおきは、無理をせず静かに過ごすのが心地よいと感じている。そんな自分と比べると、過去の自分は「本当の自分じゃなかった」と思えて、少しイヤな気分になった。
でも、あるとき先生にこう言われた。「そのときのなおきにも、そのときなりの理由や思いがあったはず。今の自分が過去の自分を完全に否定するのは、ちょっと違う気がするよ。」
なおきはハッとした。「たしかに、あのときの自分がいたから、今の自分がいるのかもしれない」と思った。
◆ 問題
- なおきは、中学生のころどんなふるまいをしていましたか?
- 高校生になったなおきは、過去の自分についてどう感じていましたか?
- 先生のことばを聞いて、なおきの考えはどう変わりましたか?
- この文章の内容を、50〜80字でまとめてみましょう。
- あなたが過去の自分をふり返って、変わったと思うことや気づいたことがあれば書いてみましょう。
◆ 指導のヒント
- 自己の変化=成長として捉える視点を育てる。
- 過去と現在を対立ではなく「つながり」として扱うきっかけに。
- 自己否定と自己理解の違いを考え、内省力を高める読解へ。
- 問4:要約=「変化の流れ(過去→葛藤→気づき)」を整理して記述。