読解練習:信じたい。でも、心配になる【Lv.15|番外編:親の視点】
子どもにスマホを持たせた。
「うちはまだ早いかな」と思っていたけれど、まわりの子がみんな持っていて、塾や連絡のことも考えて許可した。
初めは、「わからないことがあったら相談してね」と声をかけた。
でも、使っている時間が増えてくると、心配のほうが先に立つようになった。
夜遅くまで画面を見ていることもある。
食事中もチラチラ気にしている。
「ちょっとだけ」や「今だけ」が続くたびに、どこまで注意していいのかわからなくなる。
本当は、子どもを信じたい。
でも、見えないところでどんな言葉を浴びているのか、どんな思いを抱えているのかが気になってしまう。
「信じる」と「放っておく」はちがう気がするけれど、線の引き方がわからない。
「ルールでしばる」のも違う、「何も言わない」のも不安。
どこまで口を出せばいいのか。どこから先は、子ども自身の責任なのか。
親である私も、毎日少しずつ問いながら揺れている。
◆ 問題
- 筆者は、子どもにスマホを持たせたあと、どのような不安や葛藤を感じていますか?
- 「信じたい。でも、心配になる」という気持ちには、どんな親としての思いが込められているでしょうか?
- あなたがこの親の立場だったら、どのような「線引き」が必要だと思いますか?その理由も述べてください。
- スマホの使い方において、子どもを「信じる」とはどういうことだと思いますか?あなた自身の考えをまとめてください。
◆ ポイント
- スマホがもたらす「安心」と「不安」の両面を、親の視点から考える。
- 子どもへの信頼と管理のあいだで揺れる心情を言語化し、「関わることの意味」を考察する。
- 現代的な育児・教育における「距離のとり方」「見守る姿勢」について問い直す読解。