「勉強なんてつまらない」「やる意味がわからない」——
こんな言葉を口にする子どもに、保護者はどう接すればいいのでしょうか。
学習意欲が低い子に無理やり勉強させようとすると、親子ともにストレスがたまり、関係までギクシャクしてしまいます。
そこでカギになるのが、“非学力”から始めるという考え方です。
今回は、「勉強そのもの」よりも「学ぶ土台」を育てる家庭のサポート術をご紹介します。
「非学力」ってなに?
「非学力」とは、テストの点数や成績表には表れない、でも学ぶ上でとても大切な力のことです。
具体的には:
- 集中力
- 規則正しい生活習慣
- 自己肯定感
- 感情のコントロール
- 好奇心・探究心
これらはすべて、勉強が得意・不得意にかかわらず、日常の過ごし方や家庭の関わり方で育てることができる力です。
勉強がキライでも“学ぶ力”は伸ばせる!
① 興味のあることから伸ばす
「歴史は嫌いだけど戦国武将は好き」「理科は苦手だけど動物図鑑は夢中になる」
こうした子どもの“好き”は、立派な学びの入り口です。
→ 好きなものを深掘りする時間を大切に
調べる力、読み取る力、まとめる力が自然と身についていきます。
② 生活の中で「考える力」を育てる
料理の手順、買い物の計算、天気の予測……
家庭には“学びの種”がたくさんあります。
→ 「なぜ?どうして?」を一緒に考える習慣を
親が「答えを教える」よりも「一緒に考えよう」と寄り添うことで、考えること=楽しいという感覚が育ちます。
③ 成績より“成長”を認める
勉強が苦手な子ほど、「どうせできない」と思い込みがちです。
そんなときに必要なのは、小さな努力を見逃さずに認める姿勢です。
- 「昨日より早く起きられたね」
- 「自分でプリント出してきたの、えらいよ」
学力よりもまず、「行動が変わった」「自分で動けた」という変化に注目しましょう。
親のサポートが“自分で学ぶ子”を育てる
勉強が好きな子は最初から意欲的なわけではありません。
「学ぶって楽しい」と思える経験の積み重ねが、意欲を育てていきます。
保護者は、“やらせる”のではなく、“土台を整える”役割です。
- 「ちゃんと座れたね」
- 「途中でやめなかったの、すごいね」
- 「それ、面白そうだね!」
こうした言葉かけが、勉強嫌いの子にも**「またやってみようかな」**と思わせる力になります。
まとめ:「勉強させる」前に、伸ばせる力がある
テストや成績にばかり目を向けると、つい焦ってしまいますが、
子どもが本当に必要としているのは、「学力」より先に**“学ぶ姿勢”や“自信”**です。
そのためには、「勉強しなさい」よりも、「楽しんでるね」「頑張ってるね」という言葉の方がずっと力になります。
勉強がキライな子でも、家庭の関わり方次第で“学びの芽”は必ず育ちます。
今日からできるのは、“非学力”を伸ばす小さな声かけと、環境づくりから始めてみることです。