「全然机に向かわない」「勉強の“べ”の字も出さない」
そんな様子に、親として不安や焦りを感じてしまうのは自然なことです。ですが、子どもが机に向かわない理由は、“サボり”や“怠け”とは限りません。
子どもたちの“勉強しない”行動の裏には、さまざまな心のサインが隠れていることがあります。今回は、机に向かわない子の本音を読み解き、保護者ができる関わり方をご紹介します。
「勉強しない=やる気がない」ではない
多くの子どもは、やる気がまったくゼロというわけではありません。
むしろ、「やりたいけどできない」「やらなきゃいけないのは分かってる」と思っている場合がほとんどです。
それでも動けない理由には、以下のような心の声が隠れています。
よくある“心の声”3パターン
①「何から始めればいいか分からない」
学校や塾で大量の課題を出され、「とりあえず机に座っても何をやればいいのか分からない…」という状態の子は少なくありません。
→対策:タスクを細かく整理してあげる
「まず英語の単語だけ5分やってみよう」「このプリントだけやってみよう」と、“今やるべきこと”を小さく提示することで、心理的ハードルが下がります。
②「どうせやってもムダ」
以前のテストで結果が出なかったり、努力が報われなかった経験があると、「やっても意味がない」と感じてしまうことがあります。
→対策:小さな成功体験を積ませる
「昨日より少し早く机に座れたね」「今日は10分集中できたね」と、学力以外の成長も認める声かけが、子どもの自己肯定感を支えます。
③「怒られたくない/できないのを見られたくない」
できない姿を見られるのが恥ずかしくて、勉強そのものを避けていることも。これは**“自己防衛”のサイン**です。
→対策:「完璧じゃなくていい」と伝える
「途中でやめてもいいから、一度やってみよう」「分からなかったら一緒に考えよう」など、失敗してもいいという安心感を与えることが大切です。
親のかかわり方で“行動”は変えられる
子どもが動かない時ほど、「何でやらないの?」と問い詰めたくなりますが、それでは逆効果です。
大切なのは、“行動の奥にある感情”に寄り添うこと。
- 「何か手伝えることある?」
- 「やりたい気持ちはあるけど、しんどいのかな?」
- 「まずは一緒にやってみる?」
このように、“命令”ではなく“共感”をベースにした声かけが、子どもの行動を少しずつ変えていきます。
まとめ:「動かない」には、理由がある
机に向かわない子どもを責める前に、なぜ動けないのか、その理由を一緒に探ってあげる姿勢が大切です。
やる気がないのではなく、動けないだけ。
そこに気づいたとき、親子の関係も、学びへの向き合い方も変わっていきます。
焦らず、責めず、まずは「今日5分だけ一緒にやってみようか?」から。
その一歩が、未来の自立学習につながっていきます。