読解練習:となりにいるだけで、意識してしまう【Lv.8|中3〜高1向け】
隣の席になったとき、ちょっとドキッとした。
ふつうに話せるし、気まずくもない。でも、ちょっとしたことが気になる。
筆箱が同じ色だっただけでうれしくなったり、
他の子と話しているのを見ると、なんとなくそっちに意識が向いてしまったり。
「好き」とはちょっとちがう気もする。
でも、となりにいると、なんだか落ち着かない。
自分でも、自分の気持ちがわからなくなる。
授業中、ふいに視線が合って、すぐに目をそらしてしまった。
相手はどう思ったんだろう。私だけが、意識しすぎているのかな。
この気持ち、言葉にできないまま、いつのまにか日が過ぎていく。
それでも、また明日、となりの席に座るのが、少し楽しみだったりする。
◆ 問題
- 筆者は、となりの席の相手に対して、どのような気持ちを抱いていますか?
- 「好きとはちょっとちがう気もする」という言葉には、どんな思いがこめられているでしょうか?
- あなたが「自分の気持ちがよくわからなくなった」経験はありますか?そのとき、どう考えましたか?
- 人を意識するとき、なぜ言葉にしにくい気持ちが生まれると思いますか?あなたなりの考えをまとめてみましょう。
◆ ポイント
- 「恋かどうかもわからない」感情の曖昧さと、そのリアルさを言語化する。
- 他者の存在が、自分の感情や行動に影響を与える繊細な瞬間に気づく。
- 「言葉にならない気持ち」がなぜ大切なのか、自分自身の体験と重ねて考える。