読解練習:無自覚に人に迷惑をかけてしまうとき【Lv.8|中3〜高1目安】
ひろとは、いつも教室で明るくにぎやかにふるまっていた。冗談を言って笑わせたり、友だちにツッコミを入れたりするのが日課だった。
ある日、となりの席のさやかに「もう少し静かにしてくれない?」と言われて、ひろとは驚いた。「そんなにうるさくしてるつもりなかったのに」と。
さらに、「みんなが笑ってるからって、全員が楽しいわけじゃない」と言われて、少しショックを受けた。
家に帰ってから、ひろとは「自分が楽しいことが、相手にとっても楽しいとは限らないんだ」と初めて気づいた。
翌日から、ひろとはまわりの様子を少しだけ見るようになった。「気づかないまま誰かを困らせることもある」——その思いが頭の片すみに残るようになった。
◆ 問題
- ひろとは、ふだんどのようにふるまっていましたか?
- さやかは、ひろとにどのようなことを伝えましたか?
- ひろとは、どのような気づきを得ましたか?
- この話を、70〜100字でまとめてみましょう。
- あなたが「気づかないうちに誰かに迷惑をかけていた」と思ったことがあれば書いてみましょう。
◆ 指導のヒント
- 「悪気がない」=「問題がない」ではないことを言語化させる。
- 相手の立場や気持ちを想像する力を育てる題材として活用。
- 表面のリアクション(笑顔や沈黙)だけで判断しない感受性を高める。