読解練習:少数の声をどう扱うか【Lv.9|高1目安】
中学校で「給食後に全員で黙読をする」という新しいルールが話し合われた。ほとんどの生徒は「静かで落ち着くからいい」と賛成だったが、ごく一部の生徒は「昼休みは自由にすごしたい」と反対した。
話し合いの中で、多数の意見が通る流れになったが、一人の委員がこう発言した。「賛成の人が多いのは分かる。でも、反対の人が黙ってしまったら、それでいいんでしょうか?」
その言葉に教室はしんと静まり返った。
その後、「希望者は図書室で読書、ほかの人は静かに教室ですごす」という折衷案が出され、全員が納得した形になった。
小さな声が、正面から聞かれたとき。そこには、多数決とはちがう形の「合意」が生まれていた。
◆ 問題
- 新しいルールに対して、生徒たちはどのような意見を持っていましたか?
- 「反対の人が黙ってしまったら…」という発言の意味は何ですか?
- 最終的に、どのような決め方がなされましたか?
- この話を、70〜100字でまとめてみましょう。
- あなたは「少数の意見が大事にされた」と感じた経験がありますか?それはどんなときでしたか?
◆ 指導のヒント
- 少数意見が無視されるリスクと、聴くことの意味を考えさせる。
- 合意形成において「数」だけでなく「声の質」にも注目する練習に。
- 黙っている=納得しているとは限らないという認識を育てる。