読解練習:なぜ人は学ぶのか?【Lv.15|高3以上】
「大学には行く。でも、それって“学ぶ”ってことと同じなんだろうか?」
しゅうへいは、受験勉強の最中にふとそんな疑問を持った。
いい大学に入るための勉強。試験に出る問題を覚える日々。でも、その先にある“学び”とは何なのか?
かつて読んだ本の一節を思い出した。「人間だけが“なぜ”を問う。だからこそ、人間は学ぶ」
答えがない問いを持ち続けること。わからないことに向き合い続けること。それが、学びの本質なのかもしれない。
大学という場所は、その問いを持ち込む場に過ぎないのかもしれない。
学ぶとは、何かのため、誰かのためではなく、「自分が人間であることを続けるため」なのではないか——しゅうへいは、そんなふうに感じていた。
◆ 問題
- しゅうへいは、大学進学と「学ぶこと」の間にどんな違和感を抱いていましたか?
- 「人間だけが“なぜ”を問う」とは、どういう意味でしょうか?
- 「学ぶとは、人間であることを続けること」と筆者が考えた理由を説明してください。
- あなたは今、「なぜ自分は学んでいるのか?」と問われたとき、どう答えますか?正解ではなく、自分のことばで書いてみましょう。
◆ 指導のヒント
- 「進学」や「知識の習得」を超えて、「問い続けること=人間性」という視座を提示。
- 探究学習・哲学対話・自由記述と組み合わせて深める教材として活用可能。
- 「目的のために学ぶ」から「生きる営みとして学ぶ」への転換を意識させる。