読解練習:それぞれの「正しさ」がぶつかるとき【Lv.9|高1目安】
ある中学校の委員会で、「教室の照明は昼休みに消すべきか」が話し合われた。環境委員のななみは「電気のムダづかいを減らすために、使わない時間は消すべき」と主張した。
一方、保健委員のりょうは「暗い教室では目に悪いし、気持ちも暗くなる。昼休みはリラックスの時間だから、無理に消すのはよくない」と反対した。
教室で静かに本を読む派の生徒、友だちとにぎやかに過ごす生徒、それぞれにとって都合のよい「正しさ」があった。
結局、全員が納得できる答えは出なかったが、委員たちは「誰かの正しさが、別の誰かの正しさをこわしてしまうことがある」と気づいた。
それからは、正解を出すことよりも「それぞれの立場を聞くこと」が大切にされるようになった。
◆ 問題
- ななみとりょうは、それぞれ何を「正しい」と考えていましたか?
- なぜ話し合いで結論が出なかったのでしょうか?
- この話を読んで、「正しさ」についてどのように感じましたか?
- この文章の内容を、70〜100字でまとめてみましょう。
- あなたが、だれかと「正しいと思うこと」がちがって迷った経験があれば書いてみましょう。
◆ 指導のヒント
- 学校生活の具体例を通して「対立する正しさ」にリアリティを持たせる。
- 「話し合い=勝ち負け」ではなく、理解し合う姿勢の大切さに気づかせる。
- 価値観の違いを言語化し、「絶対の正解がない」場面での考え方を育てる。