読解練習:正しさは立場で変わる?【Lv.9|高1目安】
公園の花壇に立ち入り禁止のロープが張られていたが、小さな子どもが中に入って遊んでいた。それを見た通行人のAさんは「公共の場所で何をしているんだ!」と声を上げた。
しかし、花壇のそばには子どもの母親がいて、「少し目を離したすきに入ってしまって…」と謝った。
近くで掃除をしていた管理人のBさんは「子どもなら仕方ない。でも大人が注意するのも間違ってない」と思った。
Aさんは「公共のルールを守らせるのは当然」と考え、母親は「他人の目より、まず子どもの安全を見てほしかった」と感じていた。
それぞれの言い分に「正しさ」はあるように思える。でも、どれが「正義」なのかは簡単には決められない──。
◆ 問題
- Aさん、母親、Bさんはそれぞれどんな立場でしたか?
- 3人は、それぞれどんな「正しさ」を持っていましたか?
- この文章は、「正しさ」とはどういうものだと伝えようとしていると思いますか?
- この話を、70〜100字でまとめてみましょう。
- あなたが「人によって正しさがちがう」と感じた経験があれば書いてみましょう。
◆ 指導のヒント
- 複数の視点からの「正しさ」が同時に存在しうることを体感させる。
- 立場・状況によって価値観が異なることを認める対話の入り口に。
- 「正義の衝突」や「相対的な正しさ」という現代的テーマの導入に好適。