「勉強しているのに、すぐに忘れてしまう」
「復習のタイミングがつかめず、定着しない」
こうした悩みは、どの家庭にも一度はあるはずです。特に学校の授業が進むスピードが速くなる中学以降では、“復習の質とタイミング”が学力の差を生むとも言われます。
そこでおすすめしたいのが、寝る前のたった5分でできる「1行日記」式の復習法です。
ノート1ページも必要なし。たった1行、今日の学びを言葉にするだけで、記憶の定着と学習への意識づけに驚くほど効果があります。
1.なぜ“寝る前”が記憶に効くのか?
睡眠は、脳にとって「記憶を整理する時間」です。
人は、起きている間に得た情報を、寝ている間に“取捨選択”しながら脳に保存しています。
このとき、直前に得た情報は“優先的に記憶”されやすいという性質があります。
つまり、寝る前に「今日学んだこと」「印象に残った知識」を軽く思い返すだけで、その情報は脳の“長期記憶”に残りやすくなるのです。
「勉強は朝より夜のほうが覚えやすい」と言われるのは、これが理由です。
2.“1行日記”復習法とは?
やり方はとてもシンプル。寝る前に、その日学んだことを1行だけノートに書くだけです。
例)
- 社会:「関ヶ原の戦いは1600年」
- 数学:「分配法則は掛け算に使える」
- 英語:「“take care of”=〜の世話をする」
- 理科:「水は100℃で沸騰する」
- 国語:「説明文は“要点→例→まとめ”の順が多い」
このときのポイントは、“正確に覚えているか”よりも、「思い出そうとする」行為自体に意味があるということです。
思い出す=記憶を強化するトレーニングになります。
そして、それを自分の言葉で書き出すことで、記憶がさらに定着していきます。
3.家庭での取り入れ方とコツ
■ ノートやカレンダーを活用する
1行日記は、専用ノートでもOKですし、カレンダーや付箋でもかまいません。
大切なのは「毎日続けやすい形」であることです。
■ 保護者が“聞き役”になってみる
「今日は何書いたの?」とさりげなく聞いてみると、子どもも意識的に振り返るようになります。
親子の会話にもなり、学習の見える化にもなって一石二鳥です。
■ 「書くのが苦手な子」は音声でもOK
ノートが続かない子は、スマホの録音機能で「今日覚えたことを1つだけ話す」でもOKです。
言語化=記憶の定着なので、話すだけでも十分に効果があります。
4.“勉強が終わった後”にこそ記憶は深まる
子どもは、机で勉強している時間だけが学びだと思いがちです。
でも実際は、勉強を終えた後の“記憶の整理時間”こそが重要なのです。
「やったつもり」ではなく、「どれだけ残ったか」が結果を左右します。
だからこそ、1行日記のように、アウトプットを通じて1日を締めくくる習慣は、学習効果を飛躍的に高めてくれます。
特におすすめの声かけは、次のようなもの:
- 「今日覚えたこと、何か1つだけ教えてくれる?」
- 「一番面白かった内容はなに?」
- 「また思い出せたら明日も教えてね」
こうした“共有スタイル”にすることで、家庭全体が「学びを応援する空気」に変わります。
まとめ:たった1行が、勉強の質を変える
「1行書くだけ」「寝る前に話すだけ」
それだけで、勉強の定着率がぐっと高まるなら、試さない手はありません。
この方法は、
- 忙しい子どもでも無理なく続けられる
- ノートや教材がなくても実践できる
- 親子のコミュニケーションにもつながる
という、手軽でありながら高効果な学習習慣です。
勉強時間を増やすより、「思い出す時間」を少し作る。
それだけで、テストの点数も、記憶の残り方も、子どもの自信も、大きく変わっていきます。
ぜひ今日から、**“寝る前5分の1行日記”**始めてみませんか?