読解練習:“ふつう”って誰が決める?【Lv.11|高1〜高2目安】
「え、そんな服着てくるの、ちょっと変じゃない?」
昼休み、まひるがそう言った瞬間、教室の空気が少しだけ止まった。
けんじは笑いながら「まあ、個性ってことで」と受け流したが、あとから「やっぱり変だったかな…」と少し気にしていた。
まひるにとって“ふつう”の感覚は、自分の周りの「多数」によってつくられていた。でも、りんは違った。「その人が自分らしくいられるなら、それが“ふつう”じゃない?」と言う。
誰かにとっての“ふつう”が、別の誰かにとっての“違和感”になる。そんな当たり前のようで難しい現実に、けんじはあらためて向き合ってみようと思った。
◆ 問題
- まひるの発言に対して、けんじはどのようにふるまいましたか?
- りんの「ふつう」に対する考え方はどのようなものでしたか?
- この文章では、“ふつう”という言葉がどのように問い直されていますか?
- あなたにとって「ふつう」とは何ですか?その考えは、いつ・どんな経験から生まれたものですか?
◆ 指導のヒント
- “ふつう”という言葉の背後にある多数派意識や同調圧力に気づかせる。
- 価値観の多様性を、論理ではなく経験と感情を通してとらえ直す場に。
- 「違いを認める」とは、「評価せずに見つめる」ことから始まると伝える。