読解練習8:国家とは何かを考える【Lv.10|高1以上目安】
私たちは「日本に住んでいる」「この国の法律を守っている」といったように、国家という枠組みの中で日々を過ごしている。しかし、「国家とは何か」と改めて問われると、明確に答えるのは難しい。
国家には領土や国民、統治の仕組みがある。税金を集め、法律を整え、外交や防衛を行う存在だ。しかし、国家はただの制度や仕組みではない。人々が「自分はこの国の一員だ」と感じる、精神的なつながりも国家を形づくっている。
国を超えて活躍する人も増え、国籍にとらわれずに生きる人もいる一方で、紛争や対立の原因が「国家」という単位で起きることもある。国家は人を守ることもあれば、人を分断することもあるのだ。
だからこそ私たちは、国家という存在を一度立ち止まって見直す必要がある。国家とは、誰のためにあり、どのように機能するべきなのか。その問いを持つことが、これからの時代を生きるための第一歩かもしれない。
◆ 問題
- 要約:この文章の内容を、40〜60字でまとめなさい。
- 内容理解:筆者の主張として最もふさわしいものを1つ選び、理由とともに説明しなさい。
- A. 国家とは法律や制度のみで成り立つものだ
- B. 国家はなくても個人が自由に生きられる
- C. 国家には守る力と分断する力の両面がある
- D. 国家については考えなくても問題ない
- 自分の考え:あなたは「国家とは何か」についてどう考えますか?あなたの考えを100字程度で書いてください。
- 構造理解:この文章の展開に最も近いものを選びなさい。
- A. 定義 → 主張 → 例 → 結論
- B. 問い → 解説 → 問題提起 → 提案
- C. 実例 → 説明 → 比較 → 提案
- D. 感想 → 歴史 → 批判 → 主張
◆ 解答・指導のヒント
- 問1:要約には「国家の役割」「制度と意識の両面」「見直す必要」などが含まれるとよい。
- 問2:正解は「C」。国家の多面性とその見直しの必要性が中心。
- 問3:「国家は自分に何をしてくれるか」ではなく「自分は国家にどう関わるか」を促す記述に導く。
- 問4:構成は「B」。問い→解説→問題提起→提案の展開を理解させる。