読解練習:行かないことを選んだ日【Lv.7|中2〜中3向け】
「明日から行かない」と、自分で決めた。
はじめはただ「ちょっと疲れた」だけだった。
でも、何日も休んでいるうちに、「教室に入るのがこわい」「まわりの目が気になる」と思うようになった。
「また来てね」と言われると、「行かなくちゃ」と思う。でも、「なんで行かなきゃいけないの?」という気持ちもある。
母に言った。「学校に行かないとダメなのかな?」
母は少し考えてから、「どこで生きるかは、自分で決めていいんじゃない?」と答えた。
うれしかった。でも、どこかさびしかった。
行かないことを選ぶって、自由なようで、自由じゃないのかもしれない。
それでも、ぼくは今日、自分で決めたことに、ちゃんと立ってみようと思う。
◆ 問題
- 筆者が「行かないことを選んだ」とき、どんな気持ちがあったと思いますか?
- 母の言葉「どこで生きるかは、自分で決めていいんじゃない?」には、どんな思いがこめられていると思いますか?
- 「自由なようで、自由じゃない」という表現は、どんな意味だとあなたは考えますか?
- あなた自身が「行きたくない」「やりたくない」と思ったとき、どう向き合っていますか?その気持ちをどう理解していますか?
◆ ポイント
- 学校に行かないことを一方的に「悪い」とせず、その背景にある心の動きを読み取る。
- 親や他者の言葉が、本人にとってどう届くかを考える。
- 「選ぶ」ということの重さと自由について、自分の感覚で向き合う読解。